いのちてんでんこTheMOVIE、トレーラー・ヴィジュアル公開が始まりました。
何度もお話しさせていただいてますように、
また、トレイラーを見ていただいてもお分かりいただけるように、
本作品は、東日本大震災での事実が主軸となっています。
今回の映画化に伴い、代表・前川が震災1年後に取材させていただいた方や、現在所縁のある地域の皆様に、再取材にご協力いただいています。
その中で特に印象に残った話が「だるまストーブ」です。
とあるご夫婦に、佐藤監督が
「震災を体験されて、未来の子供達に伝えておきたいことはなんですか?」
と尋ねたところ
「一番はだるまストーブだよ!」
とご主人。
だるまストーブは、いいんだ、
暖もとれるし、
調理もできる、
電気やガスがなくても、ストーブや灯油が大丈夫なら、火がつくし、
火があれば人が集まる、目印にもなる。
何はともあれだるまストーブなんだよ!
という、ニュアンスの事をおっしゃられ、
はっ、としたのを覚えています。
実際、映画制作のために当時の写真資料を見ていた際、だるまストーブを何個も置いて、その周りで人々が一夜を過ごす光景が見られました。
不安な状況下で、意識せずともストーブの明かりが人々を勇気付けたであろう事は想像に難くありませんでした。
ですが、だるまストーブって灯油だって持ち歩けるわけではありません。
ではご主人は、なぜそうおっしゃったのか。
それは、地域で助け合うことが前提だからではないか、と気がつきました。
巷の防災関連の情報を拾っても個人レベルでこうしましょう、というのがが多い印象ですが、
ご主人がおっしゃっている事は、非常時で、個人レベルなんて狭いことを言ってるんじゃなくて、地域レベルで助け合えるように一人ひとりが意識しておかなきゃならないよ、と、おっしゃっているように思えました。
災害などの非常時、まずは自分の命を守る事が前提です。
ですが、助かったのち、一人だけで生きて行くのは困難に近い。
また、何かを持ち出して逃げられない状況も想定できます。
そんな時は誰かと助け合っていく事が当たり前のことで、だからこそ災害の国に生きて行くわたしたちは、そこまでを考えていく必要がある、
そう、気づかされてもらったのでした。
ただ、都会ではだるまストーブを抱えて生活していくわけにもいきませんから、全てに適応する対策ではないものの、この考え方は、今後我々の一つのヒントになるように思っています。(青)