東日本大震災で大きな被害を受けた三陸沿岸地域は、世界でも類を見ない芸能の宝庫です。
福島・宮城・岩手の三県だけで、2,000以上の郷土芸能の団体が存在していると言われています。
三陸と呼ばれる東北沿岸地域。
縄文時代から先祖は、魚や獣、草木を採って豊かで厳しい自然を頂きながら生活し、
独自の文化を生み出してきました。
そのひとつが郷土芸能。
人が暮らすところに祭りがあり、「営み」の中心で祈りと希望を唱え続けてきました。
悠久の時の中で、自然災害といった人類の制することのできない事象と対峙し、
人々は悲しみ、葬い、祈る中で「表現」を生み出してきました。
三陸の芸能は、こうしたプリミティブな表現の結晶であり、現在に伝えるひとつの形です。
それは、時に美しく、時に激しく、時に滑稽でいて、現代に至るまでの様々な芸術表現の根源を映し出すかのようです。
「営みから、アートへ」
それは、世界中の多様な文化と芸術が混ざり合い、創造的な瞬間を分かち合うための三陸からのメッセージです。

営みから、アートへ。 東北の文化を未来へ。
ご挨拶
東日本大震災から月日が経ち、当時を知らない子どもたちも増えてきました。
だけど、その記憶を薄れさせてはいけない。
2012年春、私は大学の研究員として三陸大船渡に来ました。
震災で瓦礫の山となったこの町で、地域の方々と共に復興を目指しました。
世話になった東京の音楽制作会社社長に「地方では君のスキルは活かせない」と言われましたが、
愛娘を亡くされたご夫婦の笑顔や、仮設住宅で遊ぶ子どもたちの姿が、私を励ましてくれました。
地域の方々の温かい支援があったからこそ、今日まで活動を続け、"みんなのしるし"を十余年存続させることができたのです。
私は、子どもたちの笑い声が絶えない世界を夢見ています。
希望と夢を叶えられる地域、海や山の自然、そして地域の文化が子どもたちを支えているような、そんな未来を創造します。
どんどん、子供が減っています。
私は抗います。
都会では感じえない、この地域ならではの素晴らしい自然と文化、そして特別なつながりは、世界中探しても、ここにしかない。
そう確信しています。私たちは、様々なクリエイティブな活動を通して、地域の子どもたちに、ここで働き、夢を叶えることが可能だと示していきます。
困難な道だといえるでしょうが、諦めずに進んでいきます。
“次の世代に、つなげた!”と思うまでは、歩みを止めません。
この壮大な夢の実現に向けて、共に歩み、笑顔の輪を広げ ていきましょう。
未来を担う子どもたちが、夢を実現できる場所にしたい。

みんなのしるし代表社員 前川十之朗
前川十之朗 profile
プロデューサー、演出家、作詞・作曲家、戯曲家
1987年より作詞作曲家として多くの楽曲を発表。ミッキー吉野、氷室京介など、個性的なアーティストのレコーディングに従事。2002年にはダンスカンパニー「未國」を設立し、演出・音楽・脚本を担当。その後、拠点をドイツに移し、16ヶ月間活動。2012年に帰国後、東京大学協力研究員および防災科学技術研究所取材員として三陸沿岸に入り、被災者の証言を取材。その経験から、防災やアートを通して地域社会に貢献するため、「みんなのしるし合同会社」を設立した。代表作であるミュージカル「いのちてんでんこ」は、これまでに全国60箇所で6万人の子供たちに観劇されている。
企業理念
私たちは、創造性を活かし、人々が集い、つながり、輝ける場を創り出すことで、地域社会に貢献します。
行動指針
挑戦: 常に新しいことに挑戦し、変化を恐れずに成長を続けます。
共創: 多様な人々と協力し、共に創り上げていくことを大切にします。
情熱: 情熱と創造力で、地域に活気と希望をもたらします。
尊重: 一人ひとりの個性を尊重し、互いに学び合い、高め合います。