浦浜念仏剣舞を習う

Staff blog 三陸国際芸術祭・A.I.R. 記事

稽古スケジュール:2014/11/25-11/30

岩手県の沿岸南部、大船渡市三陸町越喜来 (おっ きらい) の浦浜地区に伝え られている念仏剣舞。発祥等は不詳だが、江戸時代中期またはその後に始まったものと推測されている。地元では「けんばい」ではなく「けんべぇ」といわれている。 念仏剣舞は「反門(へんまい)の呪術的性格と浄土 信仰とが結合したもの」といわれている。リアス式の地理のため海と山に阻 まれ、かつて陸の孤島と呼ばれた地域の一角である浦浜、そこに生き続けた民衆の素朴な芸能として踊り継がれ今日に至っている。

特徴:浦浜剣舞は胴取り(太鼓)、笛、踊り手と構成される。踊り手は八人構成を基本とし、全員仮面をつけ、踊りの中心ささらは赤地の三番叟、主剣舞から四剣舞の五人は毛ザイ男山と女山は鳥兜をかぶる。

初日はまず大船渡市三陸町越喜来にある「夏虫山」に登り、そこからまた海を見渡す。海岸近くに、かつて浦浜念仏剣舞の伝承館があった。

二日間は、座学中心となった。焼香から始まり、ささら(僧侶)が霊と戯れ弔い、やがて成仏していく、という構成。

お互いの仮面の紹介。念仏剣舞の面の中に、ミロト氏自身が創作した女性的な面持ちをした顔が浮かび上がる。

最終日は、発表。実際に衣装を付けて踊っていた参加者は“(面を付けているので)視野が狭い”とか、“振りが覚えきれない”とか、いろいろ難儀しているようだったけど、太鼓と笛と謡が入り浦浜の皆さんの踊りが入りしてくると、何とも高揚してきて心も身体も弾む。

三陸越喜来町

三陸町越喜来は、起伏に富んだリアス式海岸で、世界有数の三陸漁場を有する自然に恵まれた町です。越喜来には大船渡市の指定文化財とされている、樹齢がおよそ7千年の「三陸大王杉」や、ホンシュウジカが生息する夏虫山は、大船渡から金華山まで見渡せる山頂はツツジの名所で有名です。


浦浜民俗芸能保存会

・東日本大震災による被害  私たちが取り組んでいる古里の芸能、「浦浜念仏剣舞」と「金津流浦浜獅子躍」が合同詰所としていた建物が全壊し、保管していた装束・道具類を流失。獅子躍は、太鼓3個と小物類に止まりましたが、剣舞に関しては全てを失う結果となりました。浦浜念仏剣舞は昭和47年7月、10年ぶりに復活させ、また、金津流浦浜獅子躍は平成2年に、70年の眠りから甦らせた貴重な祖先遺産であります。大震災の驚異に屈し一時は中断やむなしと悲観しましたが、「鎮魂の舞である」という原点に立ち返り、6月18日、瓦礫の中を行進し大震災犠牲者百か日供養を行い、活動を再開してきたところです。
・装束・道具等の整備  大震災から3か月目の6月11日、民族歌舞団荒馬座・被災郷土芸能団体を支援する会各位の救援活動によって、三尺の締め太鼓2台と救援金が寄せられました。また、日本財団、東日本鉄道文化財団をはじめとする公益財団、各種団体各位の助成(支援)を賜り、大震災で流失した装束、道具等の新調整備が今年度中に完了する予定です。しかし、いまだに道具の保管・稽古といった活動の拠点施設が確保できず、中古のウイングコンテナを保管場所とし、稽古場は庭先しかなく雨天時や冬季間は中断する状況にあり本来の活動に復帰できないでいます。 浦浜民俗芸能伝承館・建設募金詳細 WEBページ▶︎

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