いのちのかたりつぎ キャストアンケート③ 芝原弘

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1月17日をもって、いのちのかたりつぎ公演が、仙台・鎌倉公演ともに無事終演致しました!ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました!!

さて、本公演のキャストの方々には、東日本大震災から10年という節目を迎えたいま、震災を”語り継ぐ”ことをどう捉えて公演に臨んでいるのかということについて、事前にアンケートを取らせていただきました。
いのちのかたりつぎキャストが、どのような想いを胸に舞台に立っていたのかということに目を向ければ、また違った目線で、いのちのかたりつぎをお楽しみいただけるかと思います。

キャストアンケート第3回目は、宮城県で俳優として活躍されている、芝原弘さんです。

Q1. 震災前、震災後、現在を経てあなたや社会はどう変わったと思いますか?

震災前は石巻に帰省する事すら考えるか考えないか、心に浮かぶことは少なかった。
震災後、初めて故郷に郷愁というものをもち、この土地の為に何かをしたいと思うようになった。
現在、Uターンし、宮城に住んでいる。宮城を飛び出した頃の自分には信じられない選択だと思う。

Q2.かたりつぐということをどう考えていますか?また、かたりつぐ上で何が大事だと思いますか?

舞台を用いることで、受け取る側が受け取る“度合い”を自由に選べると思う。
事実としてその辛さ苦しさに共鳴してもよいし、物語<フィクションとして一歩引いたところから教訓として受け止めても良いと思う。その語られることの“強度”を強要しないのが、語り部やドキュメンタリーとの大きな違いだと思う。自分の心の状態によって、その受け入れ方を自由にしてほしい。全てを真正面から受け入れても構わないし、引っ掛かり程度でもよい。それを舞台は強要しない。

Q3.芝原弘さんが次世代にかたりつぎたい、伝えたいことは何ですか?また、どんな人にかたりつぎたいですか?

誰に、何を、というものはない。
私たちの舞台<物語に出逢ってくれた方が、そこから何でも良いので受け入れてくれるものがあれば充分。

Q4.東北の食べ物、景色、人柄など、「ここが良い!」というところはどんなところですか?

スーパーで買えるお刺身でも、新鮮で美味しいと思います。

Q5.東北(日本)は、この先どうなっていったらいいか?

自分個人の活動の中にも、“かたりつぎ”の要素を含んだレパートリーがある。その作品を粛々と届け続ける事が出来れば、そしてそれを受け入れてくれるお客様にこの先も出逢えれば幸せである。また、“かたりつぐ”という事を、若者や、東日本大震災後に生まれた子供たちに取り組んで頂けたら幸いに思う。

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