皆様は「いのちてんでんこ」または「津波てんでんこ」という言葉の意味はご存知でしょうか?
「てんでんこ」とは「てんでん」という言葉に東北訛りの「こ」がついたもので、「めいめいに」「各自に」などの意味となります。
ですから『津波てんでんこ』は、津波が来たらめいめいに逃げなさい、『いのちてんでんこ』は、自分の命は自分で命を守りなさい、というような意味合いで、地域に伝えられているものです。
実際、三陸出身のみんなのしるしスタッフも、小さい頃におばあちゃんからそう、教えられてきたのだそうで、「いのちてんでんこ」という言葉の他にも、沿岸地域には、津波から人々を守ろうとしてきた沢山の痕跡が見られます。
「ミュージカルいのちてんでんこ」は、代表前川十之朗が東日本大震災の一年後、三陸の気仙地区を研究員として訪れ、およそ70名の方々から、震災の証言を伺い、それをもとに創られた作品です。
東日本大震災の発生から10年が過ぎ、記憶として人々の中から消えかけてきている昨今、幾度となく形を変え上演されてきたこの作品が映画となり、再び皆様の前に登場したのは、忘れてきた何かを見つめ直す時が来たのかもしれません。
こちらの動画は、いのちてんでんこ初演からのワンシーン。このシーンは現在では上演されていませんが、海外からの反響も多く聞かれました。映画が公開された際には、その違いを楽しんでいただければと思います。(青)