未来へつなぐ知恵とバトン〜赤澤鎧剣舞・継承のカタチ〜

みなさん、こんにちは。地域おこし協力隊の佐藤凪です。
今回は、大船渡町の「赤澤鎧剣舞(あかさわよろいけんばい)」保存会の会長である平山徹さんにお話を伺ってきました。
「今年1年が終わればいいんじゃない。下の担い手に繋ぐことこそが、私の使命なんだ」
そう語る平山会長の眼差しには、次の世代へ地域の宝を手渡そうとする、並々ならぬ情熱と覚悟が宿っていました。剣舞は踊り手と囃子が必要となるため、人手不足の波をダイレクトに受けやすい芸能です。赤澤でも20代の若手と50代以上のベテラン層の間にあたる30〜40代の中間世代が少なく、大人の踊り手を確保するのが厳しい現実に直面しています。
しかし、赤澤の凄さは地域全体で張り巡らせた「多層的な継承システム」にあります。 昭和60年から続く地元の北小学校での授業指導をはじめ、放課後の「郷土芸能部」、さらに中学生を受け入れる夜間練習の場「唐獅子会(からじしかい)」を結成。さらにどこからでも歓迎と地区外の子どもたちも快く受け入れ、大船渡中学校での指導へとバトンを繋いでいます。
道具の維持にも、地域ならではの工夫が詰まっていました。演舞に欠かせないわらじを作る職人が途絶えれば自作のための勉強会を模索し、鎧や装具の補修は会員である気仙大工さんたちが公民館に集まって手作業で縫い合わせる。津波で資料が失われる危機感を背景に、平山会長が15年かけて歴史や型を文字に起こし、完璧なアーカイブとして残す活動もされています。
その長年の功績が実を結び、「いわてユネスコ賞」など数々の表彰を受けてきた赤澤鎧剣舞。 伝統とは、過去の形をただ守り置くことではなく、時代や世代の隙間を埋めるように知恵を絞り、地域みんなでバトンを渡していく情熱のリレーなのだと強く教えられました。
平山さん伝統を未来へ繋ぐことの重みと魅力を実感する、貴重なお話を本当にありがとうございました。
佐藤

